Column

廃棄されるはずだった生地から作ったアウターのおはなし

今期のAresenseから販売するウールアウターは、上質な残反を使用し生産過程にこだわりました。
ようやく肌寒くなってきたので、今回はそのおはなしを。

洋服の製作過程でどうしても出てしまう「残反」は、年間500万トンも廃棄されているそうです。その背景を知ってからは、ものづくりを始める際に、まず残反のラインナップを確認してから生地を決めるようになりました。
質が良く、一流ブランドでも使用されている素材が驚く低価格で残反として残っていることが多くありました。おそらく規模の大きいアパレルブランドでは生地の残りが少量すぎて、量産に向かないため選ばれないのだと感じました。それから毎年新しい素材がリリースされ続けるので、選らばれる生地もトレンドに合わせてアップデートされていくことが多いのも要因かなと思います。

昨年も人気だったリバーウールコートは、軽くてウール混率の高い上質なものを探していたので、尾州の生地屋さんに残反がないか問い合わせたところ、正に求めていたものが。
Aresenseのリバーウールコートはたっぷりとしたボリューム感が特徴なので、そのボリューム感による重さを忘れさせてくれるような軽くてソフトな生地に出会うことができました。

さすが、世界三大ウールの産地といわれる機屋さんということもあって、他にも素敵な残反が眠っており、こちらのコートも尾州の残反から製作してもらいました。ハリのある上質なメルトン生地です。

残反は一般的にSALE品と同様に、処分される前に生地自体の値段が下げられて売られているので「見切り反」などと呼ばれるのですが、「見切りたくないくらい良い素材」と生地屋さんが惜しそうに言っていたのが印象的でした。

残反の活用は、たとえ少量生産でも上質な素材を手に取りやすい価格でお届けできる嬉しいメリットもあります。
すでに世の中に存在する生地や素材を使ったものづくりは、これからも作る側の使命として楽しく続けていきたいなと思います。