Column

ディレクター・梅本愛子に訊く、アクセサリーブランド “esne” のおはなし

Aresense から新たに誕生したアクセサリーブランド “esne(エスネ)”。今回は特別にブランド立ち上げのきっかけやアクセサリーに込められた想いなど、ディレクター梅本へのインタビュー形式で話をききました。

— まず最初に “esne” を立ち上げられたきっかけについて教えてください。

梅本:もともとフリークス時代からアクセサリーバイヤーに立候補するほどアクセサリーが大好きで、私物でもいろいろなアクセサリーを持っているんですけど、30代に入って金属アレルギーが悪化してしまい、お気に入りの可愛いアクセサリーたちがほとんどつけられなくなってしまったんです。そういった実体験をもとに、デザインが可愛くて気持ちが上がると同時に長時間つけていても身体がストレスを感じないアクセサリーを作れたらいいなという想いから、今回 Aresense ルミネ新宿店のリニューアルに合わせてアクセサリーブランドを始めることになりました。

— 梅本さんにとってファッションとアクセサリーの関係性はどのようなものなのでしょうか?

梅本:自分自身が古いものと新しいものとか女性らしいものと男性らしいものといった相反する要素を一つのスタイリングの中で掛け合わせて表現するということがすごく好きで、洋服がメンズライクなオーバーサイズのスウェットだったりすると、必ずジュエリーはきらとするものを身につけるというマイルールがあるんですけど、そういうスタイリングをする上でアクセサリーやジュエリーというものは本当に欠かせないアイテムになる。必要不可欠なものという感じですね。

— スタイリングを広げるためにも重要な存在なのですね。

梅本:例えば、休日に子供と遊ぶだけの日でもTシャツと楽なパンツといったコーディネイトに小粒のダイヤのピアスをつけるだけでも一気にバランスが取れるので、ファッションのアクセントとして日常の中で取り入れています。

— そのバランス感覚というところで Aresense と通じる部分もありますか?

梅本:バランス感覚もそうですし、もともと Aresense のコンセプトは着ていて心地よいもの、着心地だけでなく、おうちでケアできるという心地よさというのを大事にしています。どんなにお洋服が可愛かったり、気持ちの上がるものでも家ではケアができなくてクリーニングに出さなきゃいけないとか、着ていてチクチクしてすぐ脱ぎたくなってしまうものだとやはり長く使えないものになってしまうので。“esne” も全く同じですね。コンセプトの根っこが繋がっているという感じです。

— “esne” の由来についても教えてください。

梅本:Aresense の後ろの4文字を逆から並べて “esne”。はじめはこの響きの柔らかさが気に入って、どんな意味があるんだろうと調べてみたら、バスク語でミルクという意味があったんです。子供にとってミルクが欠かせないように、大人のスタイリングにアクセサリーは必要不可欠だと思っているので、意味合いもぴったりだなと思い、すぐにこの名前に決まりました。

— 響きの良さと言葉の意味がマッチしたんですね。では、“esne” のこだわりや魅力というのはどういう部分にあるのでしょうか?

梅本:一つは金属アレルギーに極力対応できるようなものづくりを前提にしているところ。低価格帯として真鍮の代わりにサージカルステンレス使ったシリーズではメッキにもこだわっていて、通常ニッケルというアレルギー物質のひとつになってしまう素材が使われることが多いのですが、“esne” ではニッケルフリーのメッキを使うようにしています。メッキも地金もアレルギーに対応した素材というのは強みかなと。もう一つは買いやすい値段というのも心がけています。

— 確かに値段がどれもお手頃ですね。

梅本:私自身、大学生の頃に奮発して買ったダイヤのアクセサリーを買ってすぐに失くしてしまってショックだった経験があって…。ダイヤ=高価でなかなか手が出せないというイメージがあるかもしれないのですが、お客様にももっとカジュアルにダイヤを楽しんでもらいたいという想いから、極力原価を無視して買いやすい値段に設定しています。

— ダイヤの種類にもこだわっていらっしゃるそうですね。

梅本:“esne” のダイヤはラボグロウンダイヤという研究室で育ったダイヤを使用しています。製法としては天然ダイヤと同じ環境を人工的に作り出して作っているので、大地を採掘して傷つけることもないですし、紛争ダイヤの問題といったものからも関係のないクリーンなダイヤモンドというところでサステナブルな観点でも注目されている素材です。

— “esne” のデザインで大切にしていることはなんですか?

梅本:一番大切にしているのは、タイムレスであること。トレンドってその年その年で変わっていって、ビーズのアクセサリーやアクリルの透明なアクセサリーがすごい人気になったりとか色々あるんですけど、そういったブームを経てもずっと使い続けているアクセサリーがみなさんあるんじゃないかなと思っていて。そういうものになれたらなということを意識して作っています。

— やはり梅本さん自身が持っているアクセサリーの中で長年スタメンになっているものからインスパイアされたりもしているんですか?

それもありますね。例えば、サージカルステンレスシリーズのボールシャワーイヤリングは母からもらった古いピアスがインスピレーション源になっています。当時はすごいデザインだなって思っていたんですけど、意外と何かあるごとにずっと使っていて、私の中でスタメンになっていたので、そのデザインを “esne” に落とし込んでサージカルステンレスで作ってみました。

— “esne” のこれからについて考えていることはありますか?

ルミネ新宿店のリニューアルでお披露目する前に、“esne” の商品を少しだけカフェのイベントに持って行ったんです。そこで男女のカップルがお揃いで買ってくださったり、男性のお客様が自分用でチェーンブレスレットを買ってくださるなど、意外と男性にも手に取っていただけた実感があって。男女でシェアできるのってすごくいいなって思いました。私自身も洋服やバッグなどを家族でシェアしたりするので、ユニセックスと謳わなくても男女で自然に共有できるようなアイテムをこれからも出していきたいですね。

— 最後に、お客様には “esne” のアクセサリーをどのように楽しんで欲しいですか?

“esne” の原点として、何も違和感なく気持ちよくつけてもらいたいということがあるので、本当に肌の一部としてつけていることを忘れるくらいに心地よく楽しんでもらえたらなって思います。

Profile

市谷未希子 / フリーランスエディター
1989年⽣まれ。美容専⾨学校卒業後、都内の美容室にて7年間勤務。2017年にWEBのファッションメディアの編集者へと転向。2021年独⽴し、フリーランスの編集・ライターとしてファッションや美容、ライフスタイルなどさまざまなジャンルで活動。

梅本愛子 / Aresenseディレクター
セレクトショップの店舗スタッフからバイヤー、ブランドディレクターを経験し2020年春よりAresense をスタート。バイイングやオリジナルの企画制作、協業を手掛ける。1児のママ